TOPICDec 13, 2015

石井桃子原作『山のトムさん』にみる豊かな暮らし

topics010_010

今日は誰と食事をして、笑い、夢中になり、どんなことで感動しただろう。日々の出来事に気を留める間もなく、毎日をやり過ごしていませんか? そんな今だからこそ感じたい、人間と動物達が楽しく共生して行く田舎暮らし──。今回は12月26日にWOWOWプライムで放送される『山のトムさん』をご紹介します。

topics010_011

原作者の石井桃子さんは「ノンちゃん雲に乗る」で1951年芸術選奨文部大臣賞、1954年に菊池寛賞など数々の受領歴をもち、「クマのプーさん」「ピーターラビット」シリーズなど著訳書も多数残し、子どもの本の世界に多大な貢献をした方。誰と、どこに暮らし、そして何をするのか。そんな素朴な人の思いを、児童文学の世界で、自分自身の実際の暮らしをモチーフに表現したのが「山のトムさん」(福音館文庫)です。

この作品を映像化したのが本作。主演は公開中の映画「犬に名前をつける日」(インタビューはこちら)にも出演されている小林聡美さん。今回は“猫のトム”と共演です。


topics010_012
topics010_014
topics010_013

東京で暮らしていたハナ(小林聡美)は、友人のトキ(市川実日子)、トキの子どもトシ(佐々木春樺)と慣れない田舎暮らしを始めます。そこへ中学を卒業したばかりのハナの甥アキラ(伊東清矢)が加わり、血のつながりのない、4人の新しい家族の暮らしが始まるのです。

ハナたちはご近所さんに助けられながら、庭に畑をつくり、ニワトリを飼い、ヤギを育てる。そんな中、ネズミ退治の目的で猫のトムがやって来ます。その目的があるが故、トムのことは絶対に甘やかして育ててはいけないよ、という約束をするのですが……。

topics010_015
topics010_017
topics010_016
topics010_019

自分たちで食材をつくり、食卓に並べる。昔ならごく当たり前にあったその生活から感じられるのは、人としての自然な暮らし。人や動物をはじめ、土や木々、空など、そこにある全てのものに対しての、慈しみの心で溢れています。そうだよね、これだよねという、心の奥に眠っていた、豊かさに気付かせてくれることでしょう。

また、注目なのがこの物語を彩るスタッフ。映画「かもめ食堂」でフードスタイリストを務めた飯島奈美さんが料理を手掛け、軽やかな音色は大貫妙子さんによるものだったりと、『山のトムさん』の世界観と魅力を大いに高めています。

“こんな暮らしがしてみたい”どこからか、そんな声が聞こえてきそうな、ほがらかな作品です。



topics010_020

■INFORMATION
12月26日(土)夜9:00 WOWOWプライムにて放送
http://www.wowow.co.jp/dramaw/tom/
原作:石井桃子「山のトムさん」(福音館文庫)
企画:高野いちこ
監督:上田音
脚本:群ようこ
音楽:大貫妙子
出演:小林聡美 、市川実日子、光石研、高橋ひとみ、伊東清矢、佐々木春樺、木南晴夏、ベンガル、もたいまさこ


■PROFILE
石井桃子(いしいももこ)1907~2008
埼玉県浦和(現さいたま市)生れ。1928 年日本女子大学英文科卒。文藝春秋社在職時に『プー横丁にたった家』の原書に出会い、子どもの本に開眼。その後新潮社や自前の小出版社などで児童書をつくる。戦後、宮城県鶯沢村で開墾生活を送るも、岩波書店の要請により帰京、入社し、岩波少年文庫等の編集に従事。創作『ノンちゃん雲に乗る』で1951 年芸術選奨文部大臣賞、また54年菊池寛賞など受賞多数。54 年同社退社後、米欧に留学する。翌年瀬田貞二らと「子どもの本研究会」発足、58 年自宅で「かつら文庫」をひらく。「クマのプーさん」「ピーターラビット」シリーズほか、数多くの著訳書があり、子どもの本の世界に多大に貢献した。



『山のトムさん ほか一篇』石井桃子 作 深沢紅子 ほか画 福音館文庫




Pocket

Posted in TOPICNo Comments » 

関連記事