CAT / INTERVIEWMay 12, 2016

ナカオテッペイさんとブライアン『笑顔溢れる猫との日常』前編

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雑誌や広告等で活躍しているイラストレーターのナカオテッペイさんは、同じくイラストレーターの奥さまのおくむらさーこさんと、2人の子どもの家族4人暮らし。10年前、テッペイさんとさーこさんは1匹の猫と出会いました。「僕ら特別何もないんですけど」という控えめな言葉とは裏腹に、聞けば笑いや驚きに満ちた猫エピソードの数々が。日々、起こる出来事を笑顔で楽しんでいる、人と猫との暮らしが見えてきました。

CAT’S PROFILE
ブライアン
2010年3月31日生まれ(推定)/雌

OWNER’S PROFILE
ナカオテッペイ
イラストレーター。大阪生まれ。大学卒業後、広告制作会社に勤務。セツ・モードセミナーを経て、イラストレーターとして活躍開始。ユニークなセンスが特徴のイラストで独特の世界観を表現。雑誌や広告等様々な媒体で描いている。http://www.nakao-teppei.com/

おくむらさーこ
イラストレーター。東京生まれ。女子美術大学卒業、セツ・モードセミナー卒業。新丸子・武蔵小杉にあるアトリエ「アトリエ・キュイキュイ」を拠点にアート制作ユニット「Cui Cui.」としても活動。装花・空間スタイリングから、デザイン・イラストレーション、ワークショップやこども向けの教室主催まで幅広く活動している。http://www.sa-koweb.com/

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ポケットに入れて持って帰ってきた。

──こんにちは。今日はよろしくお願いします。さっそく冷蔵庫の上に逃げてしまいましたが、猫のお名前は何ていうんですか?

ナカオテッペイさん(以下テッペイ、敬称略): ブライアンです。

──ブライアン? 珍しいですね。なぜその名前にしたんですか?

テッペイ: 意味はあまりないんですけど、響き的にいいかなって。しいていえば、そのころ僕がよく観ていたスペースシャワーTVに、ブライアン・バートンルイス(タレント・DJ)がよく出ていて。

──そこから来ているわけですか。強そうで男らしい名前ですね。

テッペイ: 猫はメスだったんですけどね(笑)。病院に連れて行って判明したんだけど、名前はまぁそのままでもいいかなって。

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──ギャップがありますね(笑)。ではその、猫のブライアンとの出会いは?

テッペイ: 拾ってきたって感じなんです。

──拾ってきた!?

おくむらさーこさん(以下さーこ、敬称略): ずっと猫を飼いたいって2人で話してたんです。

テッペイ: それなら近所に猫がめっちゃ集まる公園があるから、探しに行こうぜって。お互いフリーのイラストレーターとして仕事をしているんですが、あの日はちょうど、嫁が派遣のバイトを始めるっていう前日でしたね。

さーこ: 猫を飼いたいけど買うと高いから。

──それで野良猫を拾ってこようと?

テッペイ: でも、探しに行ったら全然いなかった。

さーこ: そのあと商店街の方へも行って。

テッペイ: 普段まったく通らないところね。

さーこ: 自転車でうろうろしてたら。

テッペイ: 肉屋と花屋のあいだの店前に段ボールがあって。人が集まってたんですよ。

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──何か気配がしてきましたね。

テッペイ: あれ、もしかして!って覗いたら、産まれたばかりの小さい猫が2匹いたんです。

さーこ: 本当小さかったよね。ねずみみたいに。

テッペイ: キジトラと茶トラの2種類いて。「しっぽが綺麗なのがこっちだよ」って肉屋のおばちゃんにすすめられたのが、キジトラのブライアンだったんです。

──淡々と話されていますが、不思議な状況ですね(笑)。つまり捨て猫に偶然出くわした、と。

テッペイ: おばちゃんに「2匹貰ってよ」って言われたんだけど、いきなり2匹は無理かなぁと。嫁は実家で猫を飼っていたから猫に慣れていたけど、俺は動物を飼うのが初めてだったから。

──初めてだと“猫を飼う”ってことが想像できないですものね。

テッペイ: そう。で、ブライアンだけポケット入れて持って帰ってきたんです。

──本当に小さかったんですね。ポケットにって。猫を飼う準備はされていたんですか?

テッペイ: まだだったんで、とりあえずブライアンを段ボールに入れておいて、猫用のトイレを買いに行きました。そしたら段ボールにうんちをしてたんですね。それをそのまま買ってきた猫用トイレに置いておいたら、ブライアンはトイレの場所もすぐ覚えたんです。

さーこ: 本当いい子で、家具で爪を研いだりもしないの。実家の猫は壁とかソファーでやってたのに。

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──じゃあブライアンは猫用の爪研ぎで研いでいるんですか?

テッペイ: それもあんまりうまくやれない。猫草も食べないんですよ。最初のめっちゃフレッシュなときだけちょっと食べて、あとは全然。だから猫草って普通、どんな感じに食べられるものなのか未だに俺は知らないんですよ。

──たしかに比べようがないですね。みんな普通に食べるみたいですよ。

テッペイ: うーん。ないなぁ。毟ってあげたりするんですけどね。

──病院でブライアンはメスだとわかったとおっしゃっていましたが、健康状態は問題なく?

さーこ: 大丈夫だったんだけど、1歳のときに尿道結石になりました。おしっこ我慢しすぎて。だから、それからずっとフードは専用の療法食にしてます。その後病気は一度もしていませんね。

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自由きままに家出もします。

──ブライアン、ずっと冷蔵庫の上にいてなかなか降りてきませんね。あとで触れますかねぇ。

テッペイ: 凶暴ですよ。

──え! そんな雰囲気はしませんよ?

テッペイ: 俺らにしか懐かないんです。ほかは…、今までひとりだけだったよな?

さーこ: うん。

テッペイ: 猫を飼っている猫が大好きな男の子、そのひとりだけ。あとはみんなブライアンにちょっかい出してひっ掻かかれてます。

──お2人にはどういう感じで接してくるんですか?

テッペイ: 普通に甘えてくるかな。

さーこ: でも、子どもが生まれたときにけっこうショックだったみたい。

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──ショック? ブライアンが?

さーこ: ブライアンは一度も粗相をしたことなかったのに、一度だけベッドにしちゃったんです。私の出産後、長男を家に連れて帰ってきた一週間後に。

──自分は“いちばんな存在”だとブライアンは思っていたんでしょうか。

さーこ: でしょうね。2人目が生まれたときはブライアンの気持ちも変わったのか、そういったことはありませんでした。

──ほかにはどんな変化が?

さーこ ブライアンの愛情がテッペイ君寄りになりましたね。もともとブライアンは、私にすっごく甘えていたんです。テッペイ君のことが嫌いというわけじゃないんだけど、率先して甘えることもなくて。唯一、冬になると、暖をとるためにテッペイ君の膝の上に乗っていたって感じだったのに。

──変わるんですね。でもブライアンは根っからの甘えん坊ってわけでもなさそうですね。

さーこ: 実家の猫と比べてさっぱりしてると思う。ひとりで寝るから。私の布団にもぐってきたりもしないし。朝起きたらどこにもいないとかあるし(笑)。

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──どこにいるんですか?

さーこ: わかんない。どこにもいない(笑)。あ、家出したこともあります。

──えー! 外に出ちゃったんですか?

さーこ: そのときは5日間くらい帰ってこなかったの。マンション中どこを探してもいないし、しかも台風がくるっていう日だったから、これはやばいよって動物愛護センターにまで電話して捜索したんです。

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──でも見つからなかった?

さーこ: うん。それで5日目の朝方、マンションの廊下側に面した窓を開けてたら、ブライアンの声が聞こえて。何食わぬ顔して帰ってきた。

──よかった! どこにいたんでしょうね。

さーこ: たぶんマンション内のどこかにいたんじゃないかな。台風ですごい雨が降っていたのにブライアンは濡れていなかったから。そのあと一年後くらいにまた一日だけ脱走したんだけど、そのときはマンションの最上階にいました。

──なんで脱走するんでしょうか。

テッペイ: ブライアンの経験値があがってくると、外の世界を広げてみようって気になるんじゃないかな。最初はこの部屋で、次にベランダ…と敷地を開拓していって(笑)。


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繰り返される、いざこざ。

──ブライアンは今、何歳ですか?

さーこ: 10歳。2006年4月に拾ったから3月31日が誕生日ってことにしています。

──その“経験値”もあがってきたブライアンについて、何か困っていることはありますか?

さーこ: 紙を持っていってしまうところ。請求書や資料とかをプリントアウトして置いとくじゃないですか。そういうのを持っていってしまうの。私は絶対ブライアンが持っていくってわかってるから、紙の上にモノを置いたりしてるんだけど、テッペイ君はよくやられてます。何回も言ってるのに、何度も持っていかれて、クシャクシャにされて、歯型まで付いてたりしてる! 何回も言ってるのに!

──テッペイさん、懲りないんですね。

テッペイ: 束で5~6枚とかね(笑)。

さーこ: も~!防げるのに!

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──紙が好きな猫ってめずらしいんじゃないですか?

テッペイ: どうしても紙が多い環境だから、好きなんだと思います。ブライアンにとってこれがデフォルトというか。困っているといえば、あとあれあれ。カシャカシャ!

──カシャカシャ?

テッペイ: 開けてくれっていうブライアンの戸を引っ掻く音。寝てるときめっちゃイライラするんですよね。部屋に入れたら入れたで、今度は出してくれってやつ。

──ああ~(笑)。

テッペイ: 誰が開けるの、誰が行くのって。毎回(笑)。

さーこ: よくテッペイ君の部屋から聞こえてくる。ブライアンのカシャカシャ。

テッペイ: そんなんばっかですよ。

int014_035 ※ナカオさんにお借りした写真。普段のブライアンの様子。

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──でも楽しそうですよ。ほかにもブライアンの“あるある”って何かあるんですか?

テッペイ: “私いるアピール”。取材とかお客さんが家に来るときまってやるんです。人見知りなくせに。

さーこ: それでカメラマンさんの荷物とか、工事のひとの荷物とか、匂いを嗅いでて。ブライアンに「だめだよー」って声かけると、私に向かってシャーっていう(笑)。 

──あははは!

さーこ: おまえの荷物じゃないってのに(笑)。

テッペイ: お客さんが来てるときってブライアンもテンションがあがっているのか、慣れている俺らが触っても飛び火するの、あるよね。

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<後編へつづきます>


interview, edit Tomoko Komiyama / photo Jun Takahashi

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 INUTONEKOTO 前編 | teppei BLOG nakao | 2016.06.17 11:20

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